7月24日~28日(3泊5日)で、自民党女性局の皆様と共にフランスに研修に行ってきました。とりあえずの報告をホームページに掲載しました。詳細の内容についての報告書は後ほど作成いたします。調査の目的として『①なぜフランスは先進国なのに出生率1.78を維持しているのか ②なぜクオーター制がないのに、女性議員が多いのか』をテーマに調査してきました。
25日はレミ・ギュイヨ国民教育省学校教育総局幼稚園・小学校課課長補佐の講演を受講しました。幼児は2,337,200人、教師1人当たりの人数は22.7人で、1986年に学習指導要綱のカリキュラムを作成、2019年から取り入れ、3歳から義務教育としました。そのねらいは、語学・算数の基本的要素の発育の知識を広めるためで、就学率が97%となりました。教員の数・質を上げる努力をしているとの事。
3歳から義務教育にすることの問題点が6つ。『①母親が1日6時間も通わせることへの拒否 ②認定保育ママの仕事がなくなる(午後預かっていた人たちの仕事がなくなる) ③パリ・アルザス地方の託児所において保育内容のレベルの違いがあり、教育者・教員としてのスキルアップが必要 ④自治体や首長からの物的予算の不安と追加的な支援への不安の提示』続く
『⑤インド洋・海外権の国土、言語学習での配慮が必要であるため、来年からは特別対策を検討している ⑥障害児への配慮で、両親の誤解があった。障害の優先度に順位をつけて対応していく』その後、コロナでなかなか定着しなかったが、コロナ明けの就学率は99.8%となり、2022年の小学校に入学した子どもたちは、12項目のうち10項目で改善が見られ、成果があったとのことでした。
午後からは国民議会の下院と上院に伺い、女性議員と面会しました。最初にマチルダ・デジョンケールさんとベアトリス・ピロンさんのお二人の下院議員からお話を伺いました。政界入りの動機は『①市民団体や老若男女等の全ての人たちの声を届ける政治がしたい ②社会における女性の地位をあげ、知識を伝承したい』そのために共同体の議員と関わって政界を目指したとのことでした。
フランスには女性枠はなく、法的義務もないとのことです。しかし、マクロン大統領が先頭に立って、候補者の半数を女性にすると率先して訴え、女性議員を増やした(49%)。男性の努力もないと女性議員が増えない。「ではなぜ増えたのか」と質問しました。答えは『①男性が女性の重要性を認識する ②リスト形式で、市町村・県議会が候補者数を同数にし、モチベーションを上げること』でした。
実際に議事堂の中も案内していただき、議員席にも座らせていただきました。全ての議員席にはモバイル端末が設置してあり驚きました。この席から投票するとのことです。資料や質問内容も掲示されるものと思います。また議員席の中に、丸い形の横顔が彫られているものが設置してある席があり、これは功績を残された議員の席であるという証拠で、後世に受け継がれていくとの事でした。
この後、上院に移動し、ナデージュ・アヴェ議員のお話を伺いました。先ほどの議員もそうですが、子育てをしながら議員を務めてみえ、ナデージュ議員も3人のお子さんがみえるそうです。地元で学校の建設計画があり、そこから政治家を志したとの事。ここでも質問させていただきました。「①お子様は議員の仕事をどう思っているか ②女性議員を増やす意識を高めるためにどうするか。」
私の子どもは母親が議員であることをあまり歓迎していません。そのことを伝えると①の答えは、「母親の仕事にプライドを持っています。が、自分たちの行動もジャッジされているという意識はもっているようです。」②の答えは、「子ども市議会が地域ではあり、各学校で選挙で選ばれた子どもたちが8歳から参加し、6万ユーロ(日本円で約960万円)の予算を配分され、実際に事業を行い、責任感を養う能力を育てます。」
8歳から実際に立候補し選挙活動を行い、選ばれた子どもたちが予算まで考え、実際に業者を選定することにも関わるそうです。このような教育を受け、男女問わず政治家を志す子どもたちが増えるのでしょう。「15歳からインターン制度で職業オリエンテーションもあり、子どもたちが政治に対して関心を持つよう育成されています。」との回答でした。見習うべき点がたくさんありました。